先日書いた記事「フィリピンでATMキャッシングのトラブルに遭いました」の続きになります。どういうトラブルなのかと言うと、セディナカードを使ってフィリピンのATMで10,000ペソをキャッシングしたら現地のATM手数料200ペソが加算され、あたかも10,200ペソをATMから引き出したかのような請求をされて困っているのに、セディナカードは調査すらしてくれないというものです。
その後本件についてあれこれ調べていたら、セディナカードが現地ATM手数料200ペソを加算して請求しているのは貸金業法に違反していることがわかりました。貸金業法第十二条の八は以下のようになっています。
第十二条の八 貸金業者は、その利息(みなし利息を含む。第三項及び第四項において同じ。)が利息制限法 (昭和二十九年法律第百号)第一条 に規定する金額を超える利息の契約を締結してはならない。
2 前項に規定する「みなし利息」とは、礼金、割引金、手数料、調査料その他いかなる名義をもつてするかを問わず、金銭の貸付けに関し債権者の受ける元本以外の金銭(契約の締結及び債務の弁済の費用であつて、次に掲げるものを除く。)のうち、金銭の貸付け及び弁済に用いるため債務者に交付されたカードの再発行の手数料その他の債務者の要請により債権者が行う事務の費用として政令で定めるものを除いたものをいう。
一 公租公課の支払に充てられるべきもの
二 強制執行の費用、担保権の実行としての競売の手続の費用その他公の機関が行う手続に関してその機関に支払うべきもの
三 債務者が金銭の受領又は弁済のために利用する現金自動支払機その他の機械の利用料(政令で定める額の範囲内のものに限る。)
そして、貸金業法施行令には下のようにATM手数料の金額が108円か216円と書かれています。ATMの場所が海外だったら適用外とはどこにも書かれておらず、セディナカードは日本の法令に従う必要があります。
第三条の二の三 法第十二条の八第二項第三号 の政令で定める額は、現金自動
支払機その他の機械を利用して受け取り、又は支払う次の各号に掲げる額の区分
に応じ、当該各号に定める額(消費税額等相当額を含む。)とする。
一 一万円以下の額 百八円
二 一万円を超える額 二百十六円
この事実がわかったのでセディナカードに再び電話してみることにしました。セディナカードに問い合わせると「電話が混雑しているのでお掛け直し下さい」と毎回自動音声で言われるのですが、その案内が終わった後に電話を切らずにそのままにしていると、「お急ぎの方は順番におつなぎいたします」という裏案内が始まり、たいした時間もかからずに電話がつながります。
このような電話の自動音声トラップからもセディナカードという会社の体質がどういうものなのか想像できるのではないでしょうか?同じクレジットカードでもMUFGやJCBのような信用第一の素性のしっかりした銀行系とは違い、コンプライアンス意識の低い消費者金融のような会社であることが想像されます。
セディナカードから折り返しの電話がかかってきたのですが、貸金業法の問題にはしたくないようで、私が10,000ペソを引き出したのか10,200ペソを引き出したのか調査ができないということだけを主張してきました。私には10,200ペソなどという中途半端な金額を引き出す理由はないし、ATM手数料が200ペソと画面に出ていたのだから、200ペソが加算されていたのは明らかです。調査ができないというのは調査をしなくていいという理由にはなりません。こちらの主張(200ペソのATM手数料は216円を超えるので法令違反である)と要求(調査か200ペソ返金かのどちらか)を上に伝えて再度連絡して下さいと伝えました。
セディナカードから再度電話がかかってきたので、何も対応してくれないのなら法令違反で「国民生活センター消費生活相談窓口」と「日本貸金業協会」に相談するというスタンスでこちらの主張を何度も何度も伝えたところ、ようやくなんとか調査してもらえることになりました。今度の人はこちらの話をきちんと聞いてくれてよかったです。ただ、その人の言葉を信じるならば、ATMから出てきた金額と請求額が異なっていたという状況で調査をするのは本当に難しいらしいです。ATMからお金が出てこなかったという状況なら調査できるので、そういう方向からやってみますと言われました(よくわかりませんが、方法はおまかせです)。結果が出るまでに2ヶ月くらい時間がかかるそうです。
結論としては、今回のトラブルの原因は、フィリピン最大手のBDOという銀行がATM手数料を加えた金額がATMから出金されたものとして過剰請求してきたことにあります。フィリピンに行ったらキャッシングにBDOのATMを使うのは止めた方がいいです。BDOに限らずフィリピンの銀行ATMのトラブルは非常に多いようなので、キャッシングのときはくれぐれも注意して下さい。調査結果が出たらまた報告したいと思います。
この記事は「クレジットカードによる海外キャッシングに関する諸考察」に続きます。
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