2015年5月4日月曜日

日本の空と陸の安全神話

海外旅行に行くときはチェックインのとき保安検査のとき出国のとき、そして多くの場合に飛行機への搭乗時にパスポートの提示を求められまます。これによって他人が誰かになりすまして飛行機に乗ることができないようになっています。テロリストなどが飛行機に紛れこんではたいへんですからね。

ところが、日本の国内線搭乗時には全く本人確認がないことにお気づきでしょうか?バーコードのプリントアウトを持っていれば、それだけで飛行機に乗ることができてしまうのです。こんなことは例えばアメリカではありえません。飛行機に乗るためには運転免許証など写真入りの身分証明書(Photo ID)を提示する必要があります。


日本ではLCCの航空券(予約情報)がネットオークションでふつうに売り買いされているというニュースが最近流れていましたが、こんなことができてしまうのも日本の空港での本人確認がずさんだからです。

最近香港を飛び立ったアシアナ航空機が予約になかった他人を乗せていたことが発覚して引き返すという事件も起こりました。航空会社はセキュリティのために本人以外が航空機に搭乗することに神経を尖らせています。

日本の航空会社も国土交通省もそういうリスクは重々承知しているはずです。ところが、搭乗者の本人確認をするのは面倒くさいしコストもかかるしで、誰も重い腰を上げようとはしません。

日本社会は一見安全な国に見えますが、実はあちこちに危険が潜んでいます。そういう危険の芽を平時に発見して摘み取ることが何よりも重要なのですが、対策が取られるのはいつも何かが起こってからですね。安全な乗り物と信じられている新幹線ですら直下型地震が起ってトンネル内で脱線し正面衝突でもすれば、どれだけの乗客が亡くなるかわかりません。


飛行機や新幹線が大きなリスクを抱えていることはうすうすわかっているのに、これまで大丈夫だったらこれからも大丈夫だろうと根拠もないのに漠然と信じることで対策が取られないのが世の常です。これがいわゆる安全神話と言われるもので、やはり安全神話と言われていた日本の原発は重大事故を起こしてしまいました。日本の飛行機も新幹線も安全対策に関してはザルなのですが、そういうことを勇気を出して社会的に発言する人もいないのは、とても残念なことだと思っています。

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