「マネーの達人」というサイトで「JCBのクレジットカードは海外に弱いというのは本当か? 香港に行って調べてきました」という記事を驚きをもって読みました。JCBが海外では使えないというのは私の中では常識なので、なんでそんなことを今さら調べる必要があるのだろうと思ったのです。
この記事は目的と手段が整合していないという意味で問題があると思いました。「JCBのクレジットカードは海外に弱いというのは本当か?」ということを調べるなら、香港だけを調査地に選ぶというのはおかしいです。その場合は「JCBのクレジットカードは香港で弱いというのは本当か?」という命題にしなければなりません。
この記事の「まとめ」を読むと、「JCBクレジットカードは海外で弱いのか、香港で調べてきました。結論は、弱くはない、と言えると思います。もちろん、今回は香港空港内だけなので、香港すべての観光スポットをまわったわけではありませんが、十分使えそうです。」とありました。
なんと「JCBのクレジットカードは海外に弱いというのは本当か?」などと掲げているのに、香港どころか香港の空港でしか調べていないのです。しかも、「香港すべての観光スポットをまわったわけではない」と部分否定の形で書かれていますが、実態は香港の観光スポットは一つもまわっていません。こういう調査でJCBが十分使えるとはどういうロジックなのか私には理解不能です。
JCBは日本人の多い国の観光地や土産店や空港などを除けば実際のところあまり使えないのですが、加盟店の開拓は日本人の利用があるお店を中心にせっせと行われているようで、使えるお店の数自体はそこまで少ないわけではありません。日本の旅行会社の団体ツアーが行くようなところなら使えるところは非常に多くあります。しかし、個人旅行であちこちに行くようになると、JCBはやはり海外ではほとんど使えないということを実感することになります。
海外ではJCBが使えるはずのお店で店員さんがJCBカードを知らないので断られるということもたびたび起こります。私は数年前までANA/JCBカードのヘビーユーザーだったのですが、そういうことを海外で何度も繰り返しているうちに、面倒くさいからVISAでいいやと思うようになり、JCBのステッカーが貼られていたとしても海外では使わなくなってしまいました。今ではANAのマイルもたいして貯まらないので、SFCカードを三井住友VISAカードにブランド変更しています。
JCBのような日本のクレジットカード会社が世界に挑戦しているのは応援したい気持ちもあるのですが、世界はあまりに広くJCBカードが使えないお店はまだ星の数ほどあります。JCBのような日本人御用達カードがビザやマスターのように広く海外で使えるまでにはあと100年くらいかかるかもしれません。
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