2015年3月21日土曜日

外務省の海外安全情報は信用できるのか?

海外に渡航するに際して外務省の海外安全ホームページを参照している人はとても多いのではないかと思います。ここでは世界各国の危険情報を「十分注意してください。」「渡航の是非を検討してください。」「渡航の延期をお勧めします。」「退避を勧告します。渡航は延期してください。」の4段階でわかりやすく表示しています。その説明は以下のものです。

「十分注意してください。」
その国・地域への渡航,滞在に当たって特別な注意が必要であることを示し、危険を避けていただくよう、おすすめするものです。

「渡航の是非を検討してください。」
その国・地域への不要不急の渡航は控えるようおすすめするものであり,渡航すべきか否かは,渡航目的の緊急性,とりうる安全対策等に応じて検討を行った上でご自身で判断されるようお願いするものです。

「渡航の延期をお勧めします。」
その国・地域への渡航は,どのような目的であれ,当面控えるようおすすめするものです。また,場合によっては,現地に滞在している日本人の方々に対して退避の可能性や準備を促すメッセージを含むことがあります。

「退避を勧告します。渡航は延期してください。」
その国・地域に滞在している全ての日本人の方々に対して、滞在地から、安全な国・地域への退避(日本への帰国も含む)を勧告するものです。この状況では、当然のことながら新たな渡航は延期してください。


この前テロで日本人が命を落としたチュニジアのチュニスは世界中あちこちに出ていてほとんど警告の意味もない「十分注意してください。」でした。そんなところで、大規模なテロが発生し多くの人が命を落としたというのは外務省の危険情報が万全ではないことを意味しています。

私は行ったことのない国へ行くときになどにこの情報を参照することがあり、その国にどういう危険があるのか、行ってもよい国なのか、行くべきではない国なのかの判断材料にしています。ただ、この情報だけで渡航の是非を判断することは全くないです。なぜなら、外務省(現地大使館)の出す危険情報を私はそれほど信用してないからです。

日本大使館の職員は日本の公務員の中でも最高レベルの高給をもらって、どこへ行くにも公用車で移動するなど、私たち庶民の旅行スタイルとは別の世界で生きています。こういう生活をしている人たちには肌で感じる危険への感覚が欠落しているのは疑いがないでしょう。

実際、海外安全ホームページに書かれている危険情報の多くは、もっと日常的に発生している危険があるのではないかと首をかしげたくなるような事例や長い間更新されてないのではないかと思われる古い情報が満載です。

2015年3月19日にチュニス県チュニス市の危険度を「渡航の是非を検討してください。」に引き上げられましたが、今さら遅いwとしか言いようがないですね。おそらく、チュニスでは不穏な雰囲気が高まっていたと思われますが、それを感じる肌感覚は現地の日本大使館職員にはなかったのでしょうね。


国や行政の判断や主張は徹底的に疑った方がいいという典型例が外務省の出している危険情報です。もちろん、判断材料の一つとして参照するのは全然悪くはないのですが、海外における自分の身の安全をこのようなものにゆだねるのだけは絶対に避けなければならないと言えるほど危険情報の記述内容はお役所的でお粗末です。

肌感覚の安全の判断には日本人旅行者の旅行記や現地在住日本人の滞在記が非常に有益です。日本語の旅行記や滞在記は英語のものより情報が緻密で精度が高いと私は思っています。何事にも細かい日本人の気質が文章にも反映されているのでしょうね。

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