ワシントン・ポスト紙がTSAロックのマスターキーの写真をWEBサイトにうっかり掲載してしまったことから、その形状が割り出され、3Dプリンターを使ってマスターキーの複製に成功したことで大騒ぎになっています。
過去記事にも書きましたが、TSAロックの信頼性は元々高いものではなかったし、これまでもマスターキーは流出していると言われていたので、何を今さら騒いでいるのだろうという気がしなくもありません。ただ、今回はマスターキーの3Dデータがインターネットで公開されてしまい、3Dプリンターで(窃盗犯だけではなく)誰もが複製できる状態になってしまったことが重大です。
こうなってしまってはもはやTSAロックはほとんど意味をなしません。もし今TSAロック付きのスーツケースを買おうとしている人が周囲にいたら、それは止めた方がいいと全力でアドバイスしてあげた方がいいですね。TSAロックの南京錠も今は買うべきではないです。
TSAロックにはTSA001からTSA011までが存在していますが、今後TSA012からTSA020くらいまで新たなキーが作られるかもしれません。新しいものを作ったところで、再び複製されてしまうでしょうから、こういうやり方はもはや通用しないと考えるべきかもしれないです。
さて、TSAロックがこれまでもどのくらい危険だったのかというと、差し込み型のスーツケースのカギはTSA002の使用がとても多いように思われます。私の2つのスーツケースは異なる店で異なる時期に買ったものですが、どちらもTSA002で、しかもどちらもカギ番号が201なので、同じカギでどちらのスーツケースも開いてしまいます。
TSA002のスーツケースのカギには番号の異なるたくさんの種類のものがあるようですが、マスターキーがあればおそらくそのすべてが開けられます。TSAのスーツケースカギをなくして困っている人もよくいるようですが、スーツケースのメーカーに相談すれば有料で合鍵を送ってもらえると思います。(もちろん、それはTSA002に共通のマスターキーではありません。)つまり、こうやってTSA002の合鍵をいくつか手に入れるだけでも、多くのスーツケースのカギを開けることができてしまうわけです。
TSA002でもダイヤル式南京錠のものはカギ穴を見るとマスターキーしかささらないようになっているようなので、メーカーから合鍵が簡単に手に入るスーツケースよりは安全だったのかもしれません。しかし、今回のマスターキーのネットへの流出で南京錠も開けられるようになってしまい、もはやTSAロックを使う方が危ないと言える状況です。スペアキーを簡単に作れたら便利なので、私も3Dプリンターが欲しくなってしまいました。
これってアメリカ国内では、記事を流出させたワシントン・ポストが盗難の損害賠償について集団訴訟されるのではないでしょうか。
返信削除ユーチューブをみるとマスターキーは結構簡単な形状ですね。
TSAロックのついた高価なスーツケースを買った人は大損害ということになりますね。訴訟を起こしたいと思っている人は多いと思います。
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