イスラム国で湯川さん、後藤さんが殺害されてしまったことが残念でなりません。外務省が作ったと思われる「イスラム国と戦う国を支援」という声明文があまりに軽率だったと思います。これを作った担当者は人を殺したことを一生忘れないで欲しいです。
さて、こういう事件が起きると海外渡航を自粛するのが日本人、日本社会のいつもの行動パターンですが、「自粛」という言葉の意味は、本来取りやめなくていいことを社会の空気や圧力に過剰反応して取りやめることだと私は思っています。
イスラム国が2人の日本人を殺害したことで世界が急に危険になったわけでもありません。日本人観光客が多いトルコなどが危険視され始めているようですが、トルコは平時でも小さな危険を意識すべき国です。そして、今その危険度が上がっているとは考えられません。
とあるブログにドーハ・アブダビ行きを取りやめたと書いてあったのを驚きをもって読みました。ドーハ・アブダビのような中東の都市よりもヨーロッパやアメリカの大都市の方がよっぽど怖いです。ヨーロッパやアメリカの大都市の危険さを意識していない日本人が多いなといつも思っています。
人間というのは原発事故やら飛行機事故のような非日常的なリスクは気にするのに、交通事故のような日常的なリスクに対しては無意識であると言われています。海外旅行時にテロに巻き込まれることを恐れて、今日や明日の交通事故のリスクを意識しないのは間違っています。日本にいれば安全という意識も捨てるべきでしょうね。
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」。リスクを避けてばかりでは何も得ることはできません。小さなリスクを取りながら日々前に進んでいかなければ人間は進歩できないのです。もちろん、致命的なダメージを避けるリスク管理は非常に大切になります。
海外旅行は私たちが大きく成長できる重要な機会です。今海外旅行を自粛する必要はどこにもないと思っています。
追記 関連記事「パスポートの強制返納は許されるのか?」を書きました。
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