2015年2月28日土曜日

埋没費用(サンクコスト)を意識する

節約生活を続けるためにはお金に関わる問題を合理的に考えて行くことが必要です。お得なことを探すとか安いものを見つけるといったことばかり考えるのは私が目指す節約生活ではありません。

経済学や経営学には節約生活にとって有益な考え方があり、埋没費用(サンクコスト)という言葉は私が最も好きな言葉の一つです。

例えば、ある事業を始めるために投資をして、すでに90%のところまで準備が完了していたとします。ところが、社会情勢の急変によりその事業はもはや利益を生まないことがわかりました。しかし、ここで事業を中止してはこれまで投入した多額の資金が無駄になってしまいます。それはもったいないという心理が働いて、私たちは事業の続行を決めてしまいがちです。

これまで事業に投入した資金はどうやっても返っては来ないものです。それならば、その資金は埋没費用(サンクコスト)としてあきらめて、さっさと次の事業に投資先を切り替えた方が合理的と言えます。このまま続けても、その事業は将来赤字を垂れ流すだけなのだから、今すぐ止めた方がいいですよね。

投資やギャンブルの世界でも同じです。負けが続くとこれまでの負けを取り戻そうとして頭に血が上って冷静な判断ができなくなり、ついつい無茶をして傷口を広げてしまいます。そういうときはこれまで投入した資金は埋没費用(サンクコスト)としてあきらめて、気持ちを切り替えて新たな戦略で再挑戦した方がいいと言えるでしょう。


埋没費用(サンクコスト)などという難しい言葉を使わずに「損切り」と言ってもよさそうです。もったいないとか負けを取り戻したいという気持ちが強くて「損切り」ができない人は投資やギャンブルには明らかに向いていないので足を突っ込まない方がいいと思います。

こういう話は私たちの日常生活にも大いに関連しています。人は誰でも様々な失敗をします。しかし、いつまでもその失敗に囚われて、毎日苦しい思いをしながら生活をしたり冷静な判断ができないような心理状態になったりすれば、それこそが損失の拡大です。時計を過去に戻したいと思ってもそれはできることではありません。それならば、失敗は埋没費用(サンクコスト)としてあきらめて気持ちを切り替えた方がいいのです。

失敗は単なる無駄や損失ではありません。どうしてそのような失敗をしたのか考えることで、同じ失敗を繰り返さないような教訓が得られるなら、それはそれで貴重な人生経験であったと言えるのではないでしょうか?

私たちが生きてきた過去の時間、つまり過去の人生すべてが埋没費用(サンクコスト)であるとも考えられます。だからもし何か失敗をしてしまったときには、さっさと気持ちを切り替えて、「明日からがんばろう」と思えばいいのです。

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