2015年11月12日木曜日

これが海外で嫌われる日本人観光客の特徴なのですか?TABIZINEの凶悪な記事に驚いた

機長と友だちとチェックインカウンターで言えばアップグレードされるというトンデモ記事でおなじみのTABIZINEに「あなたは大丈夫?海外で嫌われる日本人観光客の特徴7選」という新たなトンデモ記事が出ていました。この記事に書かれている日本人観光客の特徴というのは決して日本人に特有のものでも日本人に顕著なものでもありません。それなのに、日本人観光客の嫌われる特徴としてプロトタイプ化し、わざわざ日本人を貶める記事に呆れるばかりです。

1. 「「観光スポット」で所かまわず写真を撮る」とありますが、観光スポットで所かまわず写真を撮るのは日本人の特徴ではなく、今どきどこの国の人でもやってます。海外旅行でカメラをぶら下げているのが20世紀における日本人の特徴でしたが、今では全くそんなことはありません。世界中の観光客が所構わずスマホでバシバシ写真を撮ってます。最近ヨーロッパ旅行中にたくさんの教会を巡ってきたのですが、そんなところで遠慮なく写真を撮っているのは日本人ではありませんでした。

2. 「断りなく人を至近距離から撮影する」も日本人観光客の特徴ではありません。人を至近距離から撮影するのは撮影される立場になればたいへん気分が悪いものです。このような迷惑行為は良識のある日本人ならふつうに遠慮しています。

3. 「値切る」のも日本人が嫌われる特徴なのだそうです。「特にヨーロッパなどでは、市場や蚤の市であっても「値切る客は失礼な客」だと見なされることがあります」と書かれています。この前フランクフルトの蚤の市で6.5ユーロを6ユーロに値切って買いましたが、何も問題はなかったです。もちろん、定価販売しているお店で値切るようなことはしませんが、そうではないお店で値切るのは正当な経済行為です。売り手だって全く売れないよりは、多少利益を減らしてでも売りたいでしょうから、両者が価格で合意できればお互いの利益になります。日本人でも値切るという行為を嫌がる人はたくさんいるし、外国人でも値切っている人は実際によく見かけます。値切るという行為は日本人観光客の特徴ではないのに、よくもこんなことを言えるものだなと思いました。


4. 「あいさつをしない」のも日本人の特徴らしいのですが、世界中どこでも挨拶が必要そうなお店とそうではないお店があります。挨拶が必要なお店では店員さんの方から挨拶してくるので、そのときは挨拶を返せばいいです。挨拶は店員さんと対面したとき、店員さんと目が合ったときにすればよくて、大型店への出入りでいちいち店員さんに挨拶することが期待されているわけでもありません。日本人は挨拶をしないどころか、むしろ挨拶することが美徳だと思い込んでいる人の方が多いのですが、知らない人から挨拶されるのがふつうな島根県に住み初めて、その場の状況に応じた挨拶の必要性について考えた方がいいのではないかと私はいつも思っています。

5. 「その場でクレームを言わない」「日本人は何か不満がある時その場で文句を言わないが、日本に帰ってから(旅行会社などを通して)文句を言う」とのことですが、これも日本人に特有の特徴ではありません。日本人に限らず多くの人が海外旅行中の不満をFacebookやブログなどに書いていますね。問題を改善しようにも現場には権限がないこともあり、その場で苦情を言っても対応してくれるとは限りません。苦情を言ったことでその場の雰囲気が険悪になって自分自身が不利益を被る可能性もあります。現場は問題が上に伝わるのを恐れているので、問題を改善するには現場のスタッフではなく、その上司やマネージャーや会社の担当部署に言う方が効果的です。「日本人は何か不満がある時その場で文句を言わない」というのは、問題が上に伝わるのを恐れてホテルやお店などの現場スタッフが言っているとしか思えません。こんな言葉を真に受けて、苦情はその場で言うべきであると主張するなんて本当に愚かだと思いました。

6. 「集団で広がって歩く」は日本人だけではなくどこの国の人でもやってます。なぜこれを日本人観光客の特徴にしたのか全くわかりません。歩道が狭いときなど邪魔だと思いますが、歩いている集団の人数が多いときは仕方がないでしょうね。

7. 「チップをケチる」というのも日本人に限らず誰でもやっていることだと思います。チップなどという余計なものは誰だって払いたくないはずです。チップに関して絶対的に必要なのは(メジャーな国の中では)アメリカだけではないかと思っています。ヨーロッパではレストランでもほとんどチップは必要ないですね。お釣りの小銭などを置いておけば十分です。日本人観光客はむしろチップ強迫症になっていて、チップを払い過ぎではないかと心配になるほどです。

「海外で嫌われる日本人観光客の特徴7選」で挙げられていることは、私には日本人観光客に固有の問題だと思われませんでした。こうやって日本人が日本人を貶めるセンセーショナルな自虐的記事で読者を集めるという行為は、慰安婦でっち上げでおなじみの朝日新聞とやっていることは全く変わりません。

私が日本人観光客に海外で気を付けてもらいたいと思っていることは、ホテルの朝食で出てくるゆで卵を食べるときのマナーです。ゆで卵の殻をテーブルにぶつけて割るのは止めた方がいいのではないかと思っています。ヨーロッパでこんなことをすると周囲の人にびっくりされます。ヨーロッパではゆで卵の殻にはナイフで叩いて割れ目を入れるようですね。このくらいたいしたことはないのですが、日本の常識は世界の常識ではないという意味で知っておいて損ではないでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿