2015年12月8日火曜日

イスラム過激派と戦うフランスと連帯してはいけない!テロをなくすために私たちは何をすべきなのか?

パリでテロ事件が発生していこうインターネットの世界ではアイコンをフランス国旗の色に重ねた人が目立ちますが、フランスと連帯した気持ちになって自己満足しているだけですね。失われた人の命の尊さを思ったとき、そういう軽々しいことはしない方がいいのではないかと思いました。

このテロ事件に限らず、大きな事件や災害が起こると突然の不幸に襲われた人たちのために何かをしたいと思う人の気持ちは理解できますが、もしご自身が仕事をされているのなら、その仕事は社会にとって大切なのだから、それを続けることが世の中のためになり、それがまわりまわって世界の人たちのためになるという考え方が必要だと思っています。行動を起こさなければならないと思う必要も、実際に行動を起こす必要もなく、何があっても何が起こっても「business as usual」でいいのです。もちろん、アイコンをフランス国旗に重ねる必要など全くありません。

さて、フランスはテロ事件後報復としてシリアやイラクを空爆しましたが、戦略もなしにやられたらやり返すと怒りのおもむくままにやっている恥ずべき行為だと思っています。ISの人たちもそんなこをは想定しているはずだから、このタイミングで空爆をしたところでたいした効果が上がらないのも目に見えています。いわゆる有志連合の空爆で罪のない人たちの命が失われていることも仕方がないではすまされることではありません。テロと同じように空爆におびえる人たちの気持ちを私たちが理解する必要があります。


日本はフランスなどと連帯してイスラム過激派と戦うべきなのでしょうか?私はそれは間違っていると思っています。シリアやイラクを空爆して罪のない人たちを巻き添えにして憎しみの連鎖を生むような行為に加担することは正義ではありません。日本がすべきことは報復に走るフランスとは連帯せずに、医療や食料支援などを通じて家を失い生活を失い家族を失って苦しんでいる人々を支えることでしょう。

世界が恐怖に陥っているテロをなくすためにはどうすればいいのでしょうか?憎しみの連鎖を生むシリアやイラクへの空爆は明らかに正しい方法ではありません。私は次の二つのことが必要だと思っています。

1. アメリカの中東政策の修正・転換

イスラム教徒(ムスリム)のほとんどは善良な人たちでISを支持せずテロへの反感を示していることは言われなくてもわかっていますが、宗教として国家として本気でISをつぶしてテロをなくしたいと思っているようには見えません。その理由は、イスラム教徒の多い中東の国々では反米感情のある人たちが大勢いて、たとえISやテロを支持していなくても心の片隅に彼らに対する小さな共感があるためでしょう。

パレスチナ人の土地を奪いイラクを攻撃して罪のない多くの人たちの命を奪うなどアメリカがこれまで中東でやってきたことの結果として今のISがありテロがあります。今シリアやイラクで行われている空爆もその延長にあります。アメリカが過去の中東政策の誤りを認めて、政策の修正・転換を行うことが必要です。

2. イスラム教(イスラーム)の近代化

イスラム教の教えには現代社会と整合していないものが多くあります。女性が体を覆い隠さなければならないとか、豚肉を食べてはいけないとか、金利を取ってはいけないとか現代社会においては何の意味があるのかわかりませんが、コーラン(クルアーン)にはそのように書かれています。イスラム教の不条理に苦しむ多くの女性がいることも私たちは知るべきです。そして何よりも、ジハードなどという異教徒との戦いが肯定されているのはあまりに危険と言わざるをえないでしょう。

昔書かれたコーランを今さら書き直すことはできないわけですが、戦争のない平和な社会の実現や女性の権利向上など現代社会の価値観を取り入れてイスラム教の近代化を進めることは可能であると思います。ISを支持していない、イスラム教はテロを肯定していないなどと個人で表明するだけではなく、宗教の近代化のために世界中のイスラム教徒が動いて欲しいと願わずにはいられません。

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