2015年11月18日水曜日

パリで同時多発テロ事件発生!フランス旅行は自粛すべきなのか?

2015年11月13日にパリで129人が死亡する同時多発テロ事件が発生しました。このテロに対してはイスラム国(IS)が犯行声明を出しています。これによって旅行や出張のキャンセルが相次いでいるようで、エクスペディアには以下のようなお願いが出ています。

この度の同時多発テロの影響により、現在電話が大変つながりにくくなっています。大変申し訳ございませんが、48 時間以内にご出発予定のお客様に限り、ご連絡いただきますようお願いいたします。

パリは危ないと海外旅行を今キャンセルしている人には「なぜこの旅行を計画したのですか?」と問いたくなってしまいます。今年9月にはフランスもIS支配地域の空爆に参加しています。フランスではいつどこで何が起こるかわからない状況で、これまでも一定のリスクがあったわけです。テロが起こった今、そのリスクが急上昇しているわけではありません。同程度のリスクが今もこれまでもこれからもあるわけです。


今パリが危険なのかと言えば、テロに対する警戒が厳重になっており、大がかりなテロを連続して起こす力はISにもないと思われるので、そんなに恐れなくてもいいのではないかと思っています。ただ、それでも旅行をキャンセルする理由がないわけではなりません。エッフェル塔やルーブル美術館といったパリの主要な観光施設が閉鎖されており、ブランド品のお店なども閉店になってしまったようです。こんなときにパリに観光に行っても仕方がないというのは合理的な判断です。私なら旅行をすべてキャンセルするのではなく、郊外などパリ以外のどこかに行くようにしますけどね。

さて、今は騒々しいパリですが、時間の経過とともに、これから徐々に元に戻っていくでしょう。テロの記憶も人々の心から次第に消えていきます。そのとき、今回旅行をキャンセルしたような人たちがそろそろいいかなと出かけるのは判断が一貫していないと思うのです。来月になっても来年になってもテロの危険はISがある限り今と変わらないと考えるべきでしょう。一見平穏になってテロへの警戒が薄らいだときがテロリストにとってはチャンスです。そろそろ落ち着いてきたからいいかなといった一貫性のない判断をすべきではありません。

パリはテロが怖いと今回旅行をキャンセルする判断をした人たちは、ISによるテロの小さな危険を無視できないと考えたのだから、ISを空爆している有志連合の国にはISが存在する限り今後も行かないことです。特に、ISに名指しされているアメリカへは行くべきではありません。イギリスやドイツもテロの対象になる危険は十分です。ISによるテロの現場に遭遇する危険は小さいからリスクとして無視できると思っている人たちは、今でも来月でも来年でも行っても構わないと思います。私は後者ですが、どちらの判断も合理的だと思います。

海外渡航のリスク管理について誤った判断をしているのは、テロ事件が起こったパリへの旅行や出張を当面の間自粛している個人や企業ということです。

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