世界最悪の空港とも言われるフィリピンの首都マニラのニノイ・アキノ国際空港ですが、近年設備の改善が進んでおり、昔のような暗くて恐ろしいイメージから変わりつつあります。ところが、そんなニノイ・アキノ国際空港で無実の人々が空港職員に恐喝されて賄賂の支払いを拒むと拘束・逮捕されるという事件が相次いでいます。
ニノイ・アキノ国際空港には4つのターミナルがありますが、どこもターミナルビルの入口とチェックイン後にX線によるセキュリティチェックがあります。そこで空港の検査員から手荷物に銃弾をこっそり仕込まれて、「これは何だ!見逃して欲しいなら金を払え」と恐喝されるのです。ここで賄賂を払ってしまう人も大勢いるのでしょうが、支払いを拒否して拘束されたり逮捕されたりする人が最近相次いでいます。
このような恐喝事件はニノイ・アキノ国際空港で組織的に行われており、上層部への上納金が支払われ空港警察もグルになっていると言われています。空港当局は組織的な犯罪であることを全力で否定していますが、フィリピンという国をよく知っている人なら、そんな言葉を真に受けたりはしないでしょう。
この事件はフィリピン国内だけでなく、CNNなど国際ニュースでも報じられており、ご存じの方も多いと思いますが、フィリピンへ行かれるときは銃弾を仕込まれないようにくれぐれもお気を付け下さい。日本人も被害に遭っています。「フィリピンではたらくCOOのブログ」さんのサイトで事件がまとめられているので、見ていただくといいのではないかと思います。
今後も私はフィリピンに渡航する予定があり、身に覚えのない銃弾やら麻薬やらの不法所持で彼らに捕まる可能性がないとは言えません。そこで、今からここに書き残しておきたいことがあります。もし私が銃弾や麻薬の不法所持で捕まったら、あいつはそんなことをしたのかと疑わないで下さい。私には銃弾や麻薬をフィリピンに持ち込んだりフィリピンから持ち出したりする理由は何もありません。私は賄賂を払うのが大嫌いなので、見逃してやる代わりにお金を出せと言われてもたぶん出さないでしょうから確実に逮捕されてしまいます。
昔ウクライナ・リビウの空港で税関申告書の些細なミスを指摘され、「20ドル払わなかったらお前はワルシャワ行きの飛行機に乗れない」と言われてやむなく払ったことがあります。ここで乗れなかったらワルシャワからフランクフルト、さらにフランクフルトから成田へのフライトに乗れないことになってしまいます。当時ウクライナの空港職員の月給は50ドルくらいとのことでした。そんな人に20ドルも払ったことを後悔し続けています。これに味をしめて外国人への賄賂要求が続き、新たな被害者が生まれるからです。
その後もジャカルタの空港などで何度か賄賂を要求されましたが、そのたびにとことん戦って以後は一度も払ったことはないです。マニラでもきっと払わないでしょう。だから銃弾やら麻薬所持とかで捕まっても疑わないで欲しいと思っています。
追記 ちょうどいいタイミングでasahi.comにも「「荷物に銃弾。金払え」空港職員が要求 マニラで相次ぐ」という記事が出ていました。しかし、この事件が空港の上層部や警察を巻き込んで組織的に行われていることを報じていません。しかも、この事件の一味である空港警察の他人事な言葉を垂れ流している脳天気ぶりには呆れるしかありません。
空港警察は「どんな理由があっても銃弾を持ちこまないで」と注意喚起する。一方、アキノ大統領は「事件はごく一部」と、旅行者が過度に不安がらないよう呼びかけている。
事件の真相や背景を調べることもなく、被害者に取材するわけでもなく、現地の報道を日本語で簡単に要約しただけの薄っぺらい記事に何の価値があるのでしょうか?さすが、朝日新聞ですね。
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