2013年7月7日日曜日

吉野家では並盛を食え!

「スタバではグランデを買え!-価格と生活の経済学」という本を読んだことがあります。



この本によると、スタバではショートとグランデの容量はそれぞれ240gと480gなのに、ショートとグランデの価格差は100円しかありません。例えば、プレミアムホットチョコレートはショートが380円で、グランデが480円と100円高いだけです。だから、容量単価で比べればグランデがお得ということになります。そして、スタバの商品のコストは原材料費だけではないので、このような価格設定は合理的であるとされています。

ところが、吉野家では牛丼の並盛が280円、大盛440円、特盛540円という価格になっており、特盛は並盛の約2倍です。一方、特盛の肉の量は並盛の約2倍、ごはんは並盛の約1.3倍なのだそうです。これでは特盛を1杯注文するより並盛を2杯にした方がいいことになってしまいます。


どうして吉野家はこんなに不合理な価格設定にしたのでしょうか?これは松屋、すき家の安値攻勢で客を奪われた吉野家が起死回生のために打ち出した赤字覚悟の価格戦略です。

牛丼並盛を380円から280円に値下げしても、その分サラダなどのサイドメニューを注文すれば利益は減らない、大盛や特盛も安くなったように錯覚して注文する人はいる、という読みもあったのでしょう。実際、お店の中で観察していると、大盛や特盛、並盛+αを注文しているお客さんは多いようです。

しかし、この事実から私たち顧客の取るべき戦略は、大盛や特盛は絶対に注文してはいけない、注文してよいのは並盛だけということになります。もちろん、サラダ、みそ汁などサイドメニューを注文するのは厳禁で、牛カルビ丼のような単価の高い(すなわち、利益率の高い)ものは論外です。

お店で並盛を2杯注文する勇気は私にはないのですが、健康のためにも1杯だけにしておいた方がいいし、どうしてもたくさん食べたいなら持ち帰りにすればいいと思います。

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